マッサージにも看護技術が必要

看護師はさまざまな効果を期待して医療の分野でもマッサージを取り入れており、近年では特に安楽やリラクゼーションを目的とした看護技術として注目されているため商用との違いを豆知識として頭に入れておくと役に立つ場面が出てきます。看護師が提供するマッサージは患者のために有益であるか安全で安楽に提供できるかについて判断した上で患者に提供する技術のため、商業用とは異なるものです。そこには専門職としての責任と責務が生じています。

サロンなどでは健康的な人を対象にリンパマッサージを提供していますが、がんの手術でリンパ節を切除し、リンパ液の流れが悪くなった患者に対してリンパマッサージをおこなう場合、リンパの走向やリンパ節の位置を知るだけでは不十分です。看護師が実施する場合は医師と協働し診療内容を知った上で疾患と治療法について把握しマッサージを実施する必要があります。

治療によりリンパ液の流れが悪くなっている状態は感染のリスクが大きく、放射線治療を行っている場合は放射線の照射部位は炎症をおこしているので皮膚のマッサージは避けなければならないことや身体の表層に新生する新しいリンパ管は弱い力でなでるようにマッサージすることが必要など留意すべきポイントがあります。そして、マッサージを実施しながら皮膚の状態を観察し、蜂窩織炎の兆候はないか、浮腫の左右差はないかなどを確認することが必要です。さらに、患者が退院後に自己管理できるようにリンパ浮腫について説明しながら皮膚を保護する方法を指導することが大事になります。